サークルを食う
生後2ヶ月のかわいい仔犬に、かわいい白い木製のサークル。 |
ヤツは元気の塊(かたまり)だったのです。 |
とりあえず何でもかむ。力いっぱいかむ。
1回かみだすと、形が無くなるまでとことんかむ。 そして仔犬の歯は小さく鋭い。 出られるはずの無いサークルから脱出し、部屋中を荒らしまわったのは つくしがやって来て5日目のことでした。 |
私は自分の目を疑いました。
木製の柵が2本無くなっていたのです。 柵のあったはずのところには、砕け散った木のチップが。 燻製したら、燻製チップに使えそうなぐらい細かくかみ砕かれていました。 その大きくなった隙間から、ヤツは出たのです。 板をあてがったりして、その場しのぎを何回かしていましたが、 一日1本〜2本ずつかじられては無くなっていく白い柵たち。 「サークル」ではなく単なる「枠」と成り果てるまで、 そんなに時間は掛かりませんでした。 さようなら、かわいい私の白い木製のサークル。 さよなら、私の甘い夢。 ドアのフックは赤だったね。 合掌---------。 |